いちまるはち
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さてさて続き。
ひとつ気になっているんですが、鼻兎手拭い体操って何ですか。
育つ舞台
ラーメンズ第8回公演『椿』が終わった。御来場頂いた皆様、ありがとうございました。一週間の東京公演に加えて三回の大阪公演。おかげさまで満員御礼でございます。漫画家もずいぶん来てくれたなあ。色紙用意しとけばよかったです。ラーメンズの本公演は一週間から一ヶ月に及びます。その間、コントは少しずつ改良を重ねられて、どんどん濃いものへと育っていきます。しかし、一方で、「同じ公演を同じ値段だけ払って観に来ているお客さんに、違うクオリティーのものを出すのはいかがなものか」という考え方もあると思います。実際、公演のアンケートにも、そんな感じの意見をいただいたことがあります。僕もそう思います。完全な意見です。でもそんな完全な意見に、僕の中で勝ってしまうもう一つの考えがあるのです。それは「そのとき見せられる最高のものを観せたい」というももです。言い訳と言えば言い訳なんですが、こればっかりは現場を踏んだ人間には揺るぎない考え方なんですよね。実際ごく最近、かなり大胆な変更を公演の途中で施したことがあります。ラーメンズ第8回公演『椿』の三日目、僕と片桐仁の役を入れ替えたのです。これはかなり勇気がいりました。前記した意見には完全に反しています。でも、客前で演じてはじめて気づくこともかなりあるものです。しかし同時に充て書きが不完全であったと言う僕の脚本家としての未熟さを証明してしまう結果になったわけです。コント作家小林もまだまだですね。もっともっとがんばります。ってな感じで自分に厳しくいきますんで、みなさんはあんまり厳しくしないでね。
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おニャン子クラブの歌「セーラー服を脱がさないで」という歌があります。その中で「♪女の子はーいーつーでもー」という歌詞があるんですが、その後の部分は何て言ってるか知ってますか?僕はずっと「女の子はーいーつーでも夢の島~」って言ってると思ってたんですが、先週、「女の子はーいーつーでも耳年増~」と言ってるのでは?いや、そうに違いないとドラクエ7をやりながら悟ったのです。だからその後の歌詞で「興味津々」とか言ってたのだね、これね!何故、中学の時からずっと夢の島だと思ってたのか、しかも何故、今になってたまたま鼻唄を歌っていて、耳年増だと分かったのか、さっぱり分かりません。脳ってすごい。あと、そういうので言えば宇宙刑事ギャバンの主題歌で「♪男なんだろ~グズグズするなよ~」っていうのがあって、その中で「愛って何だ、カメラはなーいーこーとーだー」って言ってると思ってた所も中3くらいになって、あー“ためらわな~いこーとーだー”て言ってんだわ、あれ、でも小学3年生当時はみんなカメラって言ってるよなーギャバンでよーって言ってたし、「ためらい」という言葉は中学生にならなきゃ知らないと思うので、この話は正しい。けど、おニャン子は14年ぐらい経ってしかも耳年増、しかもドラクエ中、しかもインフルエンザ中。何でか教えて下さい。メールで受けつけます。あ、メールといえば、この前のメールでこれからの粘土道でなにを作ってほしいかということでうけつけたのですが、たくさんのメールをありがとう。中には「宇宙」とか意味がわかんないものもありましたが、これはいずれ作ろうと思っていたものもあったりと、大変参考になりました。あと、俺をあまりかいかぶるな! そんなにできないぞ、と言っておきまーーーーーーーす。
P.S. 4月末に粘土道で個展をやることになりました。実物を見に来て下さい。あと俺グッズの販売もいくつかします。グッズが売れないと、僕が負担をおうことになるので、何卒よしなに。
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永遠の未来の乗り物「ホバークラフト」に乗った。ご存じない方のために一応説明しておくと、空気の力で走る水陸両用のタワラ型戦車、といったところだろうか。(断っておくが戦車ではない、ちゃんとした交通機関である)大分でライブがあって、その帰り。大分から大分空港までのコース。(ちなみに地元の人は『ホーバー』と呼ぶ)ヤツは海に面したアスファルトの上で『ブイーン』とうなりながら僕らを待っていた。105人乗りのドリーム3号は、かなりでかい。白いボディーに真っ赤なライン。足元はホバークラフト特有の真っ黒い浮袋。「かっこいい!」っていっちゃったよ。大声で。(男の子なら思うはず)いよいよ発進、空気の力でブワッと浮かぶ。そして一気に陸から海へと滑り込む。これが実に気持ちいい。(ピンとこない方はカリブの海賊をイメージして下さい)船が波をさいて進む乗り物だとすれば、ホーバーは波の上に乗って進む乗り物だ。したがって相当揺れる。大波を越えるときなんかは、一瞬だが無重力を感じる。(ピンとこない方はカリブの海賊をイメージして下さい)バスで1時間強かかる所を、ヤツは30分でやってのける。速い。そしてうるさい。でもそのうるささは、機械に乗ってるという実感があり、僕にはここちよかった。さて、こんなに楽しい乗り物にもかかわらず、驚いたのはその空き具合。乗客は僕達ラーメンズ+スタッフ数名、その他は数えるほど。ほとんど貸し切りに近い状態だった。(ピンとこない方はカリブの海賊をイメージして下さい)さて、僕らを乗せたドリーム3号は、大分空港に到着。生まれて初めてのホーバー体験に胸を躍らせて、さっそくお土産売り場へ。驚いた。ホバークラフトのおもちゃが売ってないのだ! 信じられない。絶対売れるのに。なぜそれが分からないのだ。大分のくせに! 思えばそんな穴は、お土産業界に沢山あいている気がする。例えばフランスのシャルル・ド・ゴール空港。あそこには空港敷地内に、大量の兎が住み着いている。乗客は窓から、そのかわいらしさにみな目を奪われる。写真を撮る者も少なくない。そこでフランス人よ!なぜ空港で兎のぬいぐるみを売らない!あの薄茶色のかわいいやつを!シャルル・ド・ゴール・ラビットとして! バカ売れだぞ!俺がプロデュースしてやろうか!!いや!やらせろ!でなきゃ勝手に乗り込んでつまらんお土産売り場をめちゃくちゃにしてやる!(ピンとこない方は海賊をイメージして下さい)
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俺はバカだ。しかも「大」のつくバカだ。いや「超」のつくバカだ。いや「バ」のつく「超力(ちょうりきと読め)」だ。逆に天才だ。10歳を英語で言うの方の・・・・(小4クラス)もうこの時期、粘土道もありその個展の準備もあり、シークレットライブ、オンエアバトル、ファミッ子大集合、耳なりライブ、ラジオ収録、ザ・テレビジョンやラーメンズや片桐仁の様々な仕事(まだ言えない)の重なるこの忙しい時期に引っ越し&高熱。もう犬以下だ。俺は。(倒置法)しかも引っ越し先のアパートには風呂、トイレは付いているものの6畳の畳が異様に小さい。測ってみたら長い辺160cm。東武ワールドスクエアか、微妙に小さい方の。(倒置法)さらに前に住んでいる方の俺の部屋というかこれまた一筋縄ではいかないシロモノでもう無いスペースに棚をつくりまくり、地面を40cm上げ限界までモノを収納してあり、まさに空中都市でっせ。ラピュタは本当にあったんだ。でも貧乏くさいの巻の舞台として使えるすごさ。もっと分かりやすく言うと映画「memories(メモリーズ)」の「彼女の思い出」にでてくる宇宙船。あーあ、日本が無重力だったら良かったのになー。所詮、有重力、重力にsばられたオールドタイプかの巻にでてくる感じ。しかも熱出して歩けなくなってともだちにほとんどの荷物を運んでもらう始末。ありがとう、竜太、ニイルセン、デハラ、今立、あと須山にけんたろうも。しかしそのせいで自分で運んでないから引っ越した先で何が何処になるのか分からない。FAX用紙がない辞書がない。なぜか台所に大量のゾイドが、といった状態になってしまった。ここにこれをおいてとかそういう計画のもとの引っ越しが出来なかったせいだ。でも運んでくれて超ありがとう。なんとか引っ越せた。新しいアパートに住んで42万円かかってます。家賃も高くなりました。誰かふつうにお金ください。個展も来てな。次は個展のことを書くゾー。
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拒食症になったことがある。あれは小学校低学年のことだったと思う。何がきっかけだったかはわからないが、全くお腹が空かなくなってしまったのだ。それでも生き物だからたまには何か胃に入れたくなる。しかし、物を食べるという行為自体が苦手になってしまい、どうにも箸が進まないのである。極端な間食をしていたわけじゃないし、お母さんの料理がおいしくないわけでもない。「鉄腕アトムのように、お腹をカチャっとあけて、食べ物を直接入れてしまいたい」と、夕飯を目の前に
して初便してしまったこともあった。お母さんごめんなさい。育ち盛りであるはずのこの時期に、ご飯を食べないのはかなりやばかった。もともと体は大きいほうで、生まれたときなんかは何グラムか
は忘れたけれど、ジャンボベビーだったらしい。幼稚園時代も背の順に並べば、いつも1番後ろかその一つ前だった。ところが、この拒食症のおかげで、身長は伸び悩み、一気に前から五番目まで前進
してしまった。当然体力もなく運動も苦手。しない。お腹すかない。悪循環である。ところが、そんあ僕が小学校を卒業するまでに、なんと再び1番後ろになれた。魔法の薬“養命酒”のおかげである。僕の食欲のなさを見かねたお父さんが買ってきてくれたのだった。効果は絶大、食前に一口飲んだその日から、なんと何年ぶりかのお代りをしたのだった。これはうれしかった。お母さんもうれしそうだった。
そんな僕の食欲遍歴とは裏腹に、弟の食欲はすばらしいものだった。「たくさん食べて、お相撲さんみたいに大きくなるんだ!」という顔でもりもりと食べていた。実に子供らしい。思えば、僕には弟に対するコンプレックスがあった。興味のあることしか勉強しない僕に対して、弟は全教科できるいい子だった。ちなみに僕が興味をもったもの達は、学校で習うことの中にはほとんど含まれていなかった。僕が忘れ物王だったのに対して、弟はいあわれなくても準備するいい子だった。弟は沢山多べていたわけだから、当然肉付きがよかった。ところが今は何だか締まっていて、すっかりシャープな青年になっている。僕はどうか。わき腹あたりに中年の兆しが見え隠れ・・・いや隠れていない。丸見えである。もう。ああ弟よ、しっかりと生きていく術を、どうか兄にも教えてほしいものだ。
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片桐仁個展『俺の粘土道展』(4月26~30日)は大盛況のうちに終了いたしました。お越し頂いた皆様方には厚く御礼申し上げます。
さて、今回の日記ですが、片桐さんは個展に自ら出品していた都合上、疲労困憊、「もうなんにもできないよぉ」ということで、まことに申し訳ありませんが、個展会場に掲示されておりました「挨拶文」を流用いたします。他人事のように書いてますけど、本人が書いてます。だから許してね。
[アッパーズ編集部]
ごあいさつ
本日は「粘土をこねる人間国宝」でおなじみ、世界の至宝いや平成の宝石、いや、すごいキラキラしたものこと片桐仁先生初の個展「俺の粘土道展」に御来場頂き、誠にありがとうございます。今回、ここパステル・ミュージアムに集められました十数点に及ぶ国宝の数々は仁先生がヤングマガジンアッパーズ(講談社)誌上において発表されたものです。
何故このような個展を開催することになったのかと申しますとまずアッパーズ誌上で連載されている「俺の粘土道」は白黒ページなので、それだけではせっかくの粘土作品がよく分からない。という読者の方々の意見書が多く会ったということ。また、カラーで掲載したくともアッパーズのカラーページはグラビア娘に占領されている有り様で「ならば“俺ビキニ”を作る。そして着る」と仰る先生を止めるのももう限界であるという理由がございました。そこで実際、皆様に作品を見て頂く場を設けようということで個展という形で発表しようという運びとなったのです。分かりますか?
これらの粘土作品は仁先生が毎月1点づつ丹念に精魂を込めて寝る間も惜しんで寝てる間に小人が作ってくれるのではないかしらと錯覚し、やっと出来た逸品ばかりです。
よって仁先生にとって正に子供のように愛しいものだそうで、目の中に入れても痛いので誰か100万円で買って欲しい。それが駄目なら普通に100万円くれと仰言っております。お可哀想に、リハビリはあまり進んでいないようです。
皆様、どうぞ優しい目で見て行って下さいまし。折に触れ、自由な毛玉こと仁先生が何かを作ったりすることもありますがその時はあまり刺激を与えないようお願いします。大変デリケートな生き物ですのでそっと見守って下さいまし。あとグッズも買って下さい。大変です。赤字です。助けると思ってそこだけは宜しくお願い申し上げ奉ります。
最後に今回この個展を開催する為に御尽力して下さった福田様、出原様、田名網様、賢太郎様、田部井様、講談社の大坪様、山本様、図書印刷様、共同印刷様、スパッソ様、パステル・ミュージアム様、大変ありがとうございます。ここに厚くお礼を申し上げます。
トゥインクルコーポレーション
2001年4月
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人間観察しますか?ってよく聞かれます。
事実これまでは、意識してしていませんでしたから「いいえ」と答えていました。でも、最近気づいたんですけど、無意識のうちにしてました。
人間観察。
例えば飛行機。機内で赤ちゃんが号泣。これはチャンスです。機内全員の耳に赤ちゃんの甲高い騒音は確実に入っています。この皆さんのリアクションが実に面白い。露骨にいやそうな顔をして、赤ちゃんのお母さんに「すいません」と言わしたい人。(上位欲型)
人間の大きさをアピールしたくて「全然気にしてない」顔をよそおう人。(虚栄心型)
どんなリアクションをとることも恥ずかしくて、ヘッドホンを武器に気づかないふりをする人。(自意識過剰型)
みなさん本当に分かりやすい。
さて、かく言う僕はどんな行動をとるタイプかというと、まず泣いている赤ちゃんを飛行機から落っことします。次にスチュワーデスに「お前の会社の飛行機に二度を乗らない」と当り散らし、顔にマジックで“スチュ”と書きます。続いてコックピットに乗り込み、パイロットに「俺にもやらせて」と頼み込んで行き先をチベットに変更。最後に赤ん坊の母親に「いいからじっとしててみ」といって、顔に“マザー”と書きます。(虚言型)
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先月の日記は俺の粘土道展のあいさつ文をのせてもらいました。というのも、個展の次の日から別の仕事が入ったいたので、日記を書くタイミングがなかったからです。何をしていたかというとそれは映画に出ていたのです。しかもラーメンズ2人ではなく僕だけ。いないんだもんなー賢太郎さん。困ったよ。人見知り全開ですよ。もー、でもまー一番下っぱのくせにしゃべらないのも生意気だと思われて陰湿なイジメをうけたらやだなーと思ったりもしたけど、そんなことは全然なくとても楽しくやらせて頂きましたよ。スタッフや役者の人と仲良くなれたしね。で、どんな映画かというとそれは『MASK DE 41』(マスク ド フォーテン)というタイトルのプロレス映画で、正しくはプロレス好きの男の話の映画です。主演は『プロジェクトX』で日本中の男を泣かせる男、田口トモロヲさんで他にも松尾スズキさんや小日向文世さん、中川五郎さん、あと黒田勇樹くん、FMWハヤブサ選手、ミスター雁之助選手などが出ている妙に濃ーいかたよった演者構成で僕の役は田口さん演じる忠男さんの行きつけのプロレスバーの常連の一人という役です。今回は誰も死なないので犯人扱いはされませんでした。
バーのこのシーン(本物のバーを使って撮影した)には出てます。あと他のシーンも出てます。どう説明していいのか分からないし、これ以上言うとストーリーを全部言いたくなってしまうので、見に行って下さい。いや僕のシーンは見られたくない。でも映画自体はいいものが出来たと思うので見てほしい。でも僕が喋ってるところは目をつぶっていてくれ。それでもストーリーは分かるはずだ。でもけっこう出てるしな~。うーん、公開は今年末か来年初の頃になりそうです。それにしてもいい経験をさせてもらいました。映画に出たこともなければ賢太郎以外の人に演出されたこともないし、フィルムはカラカラと回っているしカチンコはなってるし(あれって高いんだって。2万円ぐらいすんだって)ものすごい量のスモークをたくし(線香とタバコでやってました。)僕は大丈夫なのか?と思ったり何か今思えばあれは全て夢だったんじゃないかと思えるほどの異空間でした。で、そこの住み心地がどんどん良くなって、いつのまにかそこにいるのが自然になっていました。だから途中で別の仕事が入っても何かそっちの方が非現実的なものに感じたりしたのでしょう。それで談志師匠に何を言われても平気だったのかもしれない。そのぐらいのめりこむ空気でした。きっと映画は作っている方もヤミツキになるんだろうなーという良さがあってヤバかったです。
監督は今回、はじめて映画をつくった村本天志監督。ふだんはCMを作っている方でサッカーの中田とマサイ族が跳んでいるカメラのCMを作った人です。この人の演出の方法がまた、賢太郎とはまったく違うので困りました。もちろんラーメンズは2人舞台で映画の環境とはぜんぜん違うので当然なのだが1時間半で10本のコントを演じる場合と映画の中で一人のキャラクターを演じる場合では当て書きが違う。当て書きというのはその人用に書かれた台本のことで賢太郎とは知り合って10年以上経っているので細かく動きやセリフが決まっている。僕が演じることのできる別の人間を作ってしまう。映画は別の人間を作るというよりも等身大の片桐仁の延長線上にある自分を作る、うまく説明できないが僕は見た目20代後半の男であってこれはどうすることも出来ない。眼鏡をとったりヒゲをはやしたりすれば多少若くしたり年をとらせることはできても女の人やおじいさんにはならない。舞台でラーメンズでおじいさんを演じるのとは意味が違う。出来ない事だし、それは僕じゃない本当のおじいさんや女の人がやればいい。
28歳のこういう見た目のプロレスファンの駄目な男、これになってくれという当て書き、それが難しかった。無理なんじゃないかと思った。それには自分をより客観的に見る能力がないといけないんじゃないか、僕にはそれがあるのかとか考えてしまったからだ。でも片桐仁ではなく「カマタ」という男に少しづつなっていくうちにそういう客観的とかそういうのじゃない感じのもっとナチュラルに演じるというかなんというかよく分からないので(エラそうだし)おわり。本当にいい現場だったなー。松尾さんも面白かったし。ここまで読んでくれてありがとう。長くなっちゃった。
***
“兎と亀”
いい天気でした。
鼻兎はうれしくなってドライブに出かけました。
すると、道ばたに何か黒くて丸いモノが落ちていました。
それはよく見ると亀でした。
「お前、何をしているのか?」
と、たずねると、亀は言いました。
「海はどっちだ」
亀は砂浜で生まれ、海と逆に歩いて、こんなところまで来てしまったのです。
鼻兎はとりあえず亀の甲羅にミカンをのせると、
「ちょっと待っていな」
と言ってその場を去りました。
ほどなくして戻ってきた鼻兎は、お菓子の袋を持っていました。
「はい」
「・・・・それはグミだよ」
鼻兎は間違えました。もう一度どこかに行きました。
またほどなくして戻ってきた鼻兎は郵便局の袋を持っていました。
「今日はフミの日ですので、記念切手を買いました」
「・・・・それは趣味だよ」
そう言い残し、亀は自力で海まで行きました。
鼻兎は、
「あいつめ、ミカンのお礼に玉手箱を取りに行ったに違いない」
と思って、15分ほど待っていましたが、飽きたので家に帰りました。
めでたしめでたし。
***
やっとラーメンズの全国公演が終わった。(まだ横浜公演が一回残ってるけど・・・・。)もう終わらないんじゃないかと思ったぐらい長く続いていたほどではなかったが、長かった。うん、長かった。いや、短かった。あっという間に終わっちまったという印象だ。とも言える。が、初日の福岡公演のことを思い出してみると、相当前のことみたくも感じる。ということはやはり長かったのか・・・。それにしても小学生の頃に比べると、時間が経つのが異常に早くなった感じがする。特にここ2~3年はあっという間に過ぎてしまった。過ぎてしまった事は、すごく前の事みたいだ。去年の一月にやった第5回公演『home』なんか、五年前ぐらいに感じる。大学の頃の事はもっとおぼろげだ。大学を出てからもう5年である。いつまでも子供だった自分がいつのまにか、四捨五入すると30だ。大人の年だ。小学生の頃から考えると、子供がいてもいい年頃だ。年頃の息子さんだ。(年頃の娘という言葉はあるのに年頃の息子という言葉がないのはおかしいなと思って使ってみた。)いらないなー。子供。片桐仁夫(じんお)。仁は俺から取って夫は父、郁夫から取って仁夫。にんぷとも読める。肉体労働が似合う感じの無口な大人になりそうだ。中学生になって反抗期が来たら、半殺しにされそうだぜ仁夫。それはやめてくれ仁夫。父さんと仲良くやろうぜ仁夫。仁夫はだめだぜ仁夫。女だったら、仁欧(じんおう)。何故か、母、典子からではなく、姉・美欧から一字取って仁欧。これまた強そうだ。きっといい北斗神拳の伝承者になれるだろう。反抗期が来たら、半殺しにされないものの、一年以上も口をきいてもらえなかったりしそうだ。むしろそっちの方が半殺しより辛いぞ仁欧。精神的に追いつめられるのは苦手だぞ仁欧。娘に無視されるのはいやだ。仁欧よー。そういうのやめろよなー。ブルーだ。だから子供はいらない。テンション下がる。何の話だっけ? そうだ。時間が経つのが早いとか、そういう話だったんだ。いない子供の話はもういいよ。無意味だよ。バカにしやがって・・・。そう何かの本に、時計が刻む時間とは別に、体感時間みたいなものがあって、それは年を取るに従って、どんどん早くなっていくのだそうだ。つまり、10代の頃の一年は、50代の5年分の時間に相当する。とかそういうことらしい。(正確には知らない。)そしてそう考えてみると、80年の人生の折り返し地点は、ちょうど、25~27歳ぐらいであるらしい。(細かくは知らない)ということは、俺の残りの人生を約50年とすると、その50年は、今まで生きてきた人生の倍ほどの年月でありながら、ほぼ半分の体感時間になってしまうということなのだ。こりゃーこの先長い人生なんだし、のんびりやろうよ、なんて言ってらんないよね。生き急げ若者よー俺は適当に家でダラダラしているので、あとはよろしく。よろしくメカドッグ。次原りゅうじはコミックバンチ。今、家でまんが道を読んでいます。中でも、満賀道雄と才野茂が東京で漫画家として売れてきたのに、実家の高岡に帰っちゃってダラダラしてしまい、連載をほとんど落としてしまうというくだりはとても他人事とは思えない。お腹が痛くなります。急にこんな話をしたのは、今読んだからです。世界人類が平和でありますよーに。ナームー。
※Yさん(編集部註・担当の名前)おくれてごめんなさい。
意味わかんなかったら言って下さい。
※担当Yより。意味は分かりますがわけがわかりません。
でも読者の方に片桐さんのアタマの宇宙ぶりをしっていただくために
原文ママで載せました。
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今回はコラムはお休みです。かわりに小林さんから編集部におくられてきたFAXを掲載します。(伏せ字は編集部)担当Y
講談社
小林賢太郎担当
山本様
すいません。今回のコラムはお休みさせて頂きます。あまりの過密スケジュールで、手がまわりませんでした。もちろん仕事の優先順位として、このコラムを最下位に置いているつもりはありませんが、鼻兎の単行本の製作が、大詰めになってきたため、もう何日も寝てません(ちょっと嘘)御容赦ください。単行本『鼻兎』は、はじめての僕の著書になるわけですが、本屋に自分の名前の本が並ぶというのは不思議な感じです。出すからには、やはり出来るだけ沢山の人に読んでもらいたいと思います。そこで、山本さん。こんな企画はいかがでしょうか。
●鼻兎のキグルミをデ*******ドに潜入計画
中に入るのは山本さん。ミ**ー***に鼻兎を認知
させる。スポンサーなんだから、これくらい余裕でしょ。
●巨大な鼻兎の耳と鼻を作り、東京ドーム鼻兎化計画
目はスプレーで書きます。書くのは山本さん。
●本物のウサギに遺伝子操作を施し、生きた鼻兎を作る。
筑波大学にかけあうのは山本さん。
●山本さん鼻兎化計画
山本さんに整形手術を施し、生きた鼻兎を作る。
本を売るためです。全部とはいいません。三つくらい何とかならないでしょうか。
小林賢太郎
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データがない。片桐さんの回とびます。
そしてこれ長い。容量足りなさそうなのでもういっこパートつくります。